ウマノスズクサは、『京都府レッドデータブック2015』では準絶滅危惧種に指定されています。ジャコウアゲハの実質唯一の食草であることから指定されたようですが、実際生育している場所は限られており、渡月橋から三川合流までの河川敷では2,3キロに1箇所程度と思います。そのウマノスズクサを増やせないかと、移植を試みました。
ウマノスズクサは3年ほど前に知人に一株譲ってもらって、庭に植えてあります。これが、仕組みはわかりませんが、毎年少し離れた場所にひこばえを数株芽生えさせます。それをポットに移植して養生してありましたので、7月初めに家から見える堤防の草むらに移植しました。全部で8株移植したのですが、小さくてひ弱な株ですので、2株はどうも消えてしまったようです。しかし、残りの6株は長雨と草刈りの後も葉を茂らせています。
他で繁茂しているところを見ると、ウマノスズクサは、他の雑草と混在できる場所で、水はけと日当たりの良い場所を好むようです。今回植え付けた場所は斜面の途中と下方の2箇所ですので、条件が異なる場所での生育状況を観察していきたいと思います。
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斜面の上部中央に植えた株です。
上部西側。
上部東側。蔓が長く伸びています。
斜面中央下部手前。葉が若干黄色くなっているのが気になります。
斜面中央下部奥。これがもっともしっかりした株の1つ。
これは少し離れた場所に植えたもの。斜面西側下部。これもしっかりしています。
ウマノスズクサを観察しはじめた当初は、草刈りは入れない方が良いと思っていましたが、河川敷に草刈りが入ってまず最初に生えてくるのがウマノスズクサです。適切な時期の草刈りはむしろウマノスズクサに益するようです。ウマノスズクサはつる性の植物ですので、他の植物に巻き付いて伸びますから、支えになる他の植物は必ず必要です。しかし、それらの植物が高く繁茂するところでは日照が不足して生育が阻害されます。適切な時期の人為的な草刈りは、競合する他の植物の生育を適当に押さえてウマノスズクサの生育を助けると言っても良いでしょう。
株の移植を進めつつ、どのような草刈りを何時行えば最良なのか調べる必要があります。
2020.07.16.撮影
2020.07.17.記述
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