先般アオギリについて幾つかの記事を書きましたが、アオギリと鳳凰との関係について、もう一つ腑に落ちないところがありました。アオギリの実が鳳凰の爪に似ている、ということです。先般観察した御苑のアオギリではどうもその様子が見えませんでした。
そこで、継続観察している近所のアオギリを約2週間ぶりに訪れたところ、鳳凰との関係に納得しました。
アオギリの雌花は子房が5裂していますが、このおのおのが成長して、最終的に舟形の果実を作ります。子房が成長する過程で、節くれ立った鳥の足に極めて似る時期があることがわかりました。この日観察した果実がまさにそれでした。御苑のものは距離があったのと、たくさん実っていたので、よくわからなかったようです。
この木の果実の形は、鳥の爪を十分に連想させますが、この木が鳳凰と結びつくのは、おそらくこの木の濃い緑、大きな葉を茂らせる生命力、種を遠くまで伝播する繁殖力なども大いに影響されていることでしょう。
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雄花です。花びらはなく、萼片が花びらのように見えています。2020.07.04.撮影。
これが雌花。雄花より少し遅れて開花します。子房は5裂し、子房の下部に見えるのは雄しべの痕跡とのこと。2020.07.09.撮影
これが受精して膨らみはじめた果実。これはまだ中央でつながっています。本来5本あるはずですが、1本は受精しなかったのか、4本しか見えません。以下、2020.07.20.撮影
5本の果実のうち、3本が離れて、ちょうどこの角度からですと、猛禽類の足がこちらにつかみかかろうとしているように見えます。
これは5本が離れた例。
拡大します。
これは完全に開いた形です。これより大きく成長すると、爪に似た鋭さを欠いてきますので、これが「爪としての完成形」でしょうね。
今後も成長を見守りたいと思います。
2020.07.23.記述
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