一口にキリの木と言っても、実は様々な種類があります。果実の形を見れば一目瞭然なのですが...。
タンスにするのはキリ。私の田舎では娘が生まれると桐の木を1本植えるということが、私の子供の頃まで行われていました。また、北前船の船箪笥はこの木で作り、丈夫な鉄の扉と箍で仕上げました。船が難破しても、浮力があって機密性を保てる船箪笥は波間に浮いて回収されたとか。果実の外形はクルミに似ていますが、内部の種はごく小さく軽く翼があって風に舞います。
公園木に多いのはイイギリとアオギリ。イイギリは別名ナンテンギリと言われるように赤い実がナンテンのように房に実ります。雌雄別株。アオギリは雌雄同株で雌雄異花。舟形の器に種が4つほど乗った形。ハリギリはトゲがあって、タラノキの仲間と言われれば、納得です。その昔アイヌがこれの大木で船を作ったとか。
主なものをまとめると、以下のようになります。
キリ: シソ目、 キリ科、 キリ属
アオギリ:アオイ目、アオイ科、アオギリ属
イイギリ:キントラノオ目、ヤナギ科、イイギリ属
ハリギリ:セリ目、 ウコギ科、ハリギリ属
閑話休題。近くの公園にアオギリの木があるので、一度花を確認しようと毎年構えていたのですが、ついつい見損なっていました。今年は頻繁にチェックしていたものの、こんな年に限って、前年末に強剪定を受け、花芽を持つほとんどの枝が切られてしまいました。
それでも一枝のみですが、たくさんの花芽が付いて、先週末から咲き始めました。蜜をたっぷり出す花で、以前堰堤沿いに咲いていた木(伐採されましたが)は蜂やらカナブンやらが来て大賑わいの花蜜レストランでした。
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蕾ができてもなかなか咲き出さなかった花が、ちらほらとほころびはじめました。
拡大すると5弁の花びらを持った、シンプルな作りのようです。蕾の状態では小さく見える花びらが大きく伸びてめくれ上がっているように見えます。
ちょっと白飛びしてしまいました。雌雄同株で雌雄異花です。はじめに咲き始めたこれらの花は雄花のようです。
2020.06.29.
2020.07.02.
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