川端を歩いていて、はっとしました。いつの間にかこの花の咲く季節になっていたのです。ママコノシリヌグイ。
この花の名前を知ったのは、野草の名前を意識的に覚えようとし始めた頃。覚えの悪い私でも一回聞いただけで生涯忘れないインパクトがありました。
「継子」という言葉自体、今の若い方々には実感がなく、あるいは知らず、万が一にも子供のお尻をこれでぬぐったならば、間違いなくDVとなりましょう。
以前韓国籍の同僚に、この花の名前を紹介して、コリア語の名前を聞いたところ、調べてくれて、確か「嫁の尻ぬぐい」という名前だったと記憶しています。その記憶をたよりに韓国のサイトを検索してみると「嫁の尻ぬぐい」の名前は日本の植民地時代に由来するものとの記述もあります。信憑性はいかほどのものでしょうか。日本の継子がいつの間にか嫁に変わったのでしょうか。対馬ではこれを「嫁の手ぬぐい」と呼ぶと、ある文献に記載がありましたので、日本、対馬、韓国と、あるいはその逆に伝わる過程で変化したのかもしれません。
「継子」か「嫁」か、はたまた「尻ぬぐい」か「てぬぐい」か、いずれにしても、すべて血縁にこだわる狭量な心根から発しているもののようです。可憐な花には似合いませんね。
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花は金平糖のような形で、色もピンク、可憐です。
しかし、イケナイのがこの逆刺。不規則に並んで、とても鋭い。
節の付け根も...節と刺が目立つ故に、学名のPolygonum senticosumのPolygonumは「多くの節」、senticosumは「刺が密生した」の意味です。
葉柄にも、びっしりと逆刺が。
ということで、まずは小さき花の可憐さを愛でることにいたしましょう。
ちなみに、他のタデ科の植物同様に、この蕾をしがんでみると、ほのかな酸味が口中にさわやかに広がります。
2020.07.02.撮影
2020.07.05.記述
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