日頃何気なく見過ごしている景色の中にもまだまだ美しいものが隠れていることに気づきました。ヌルデの花です。
ヌルデは桂川のそこここに生えています。冬になっても実を落とさず、まっすぐな幹の上に小さな豆を集めたような実の塊がちょっと汚らしく引っかかったように見えるのがそれです。ウルシの仲間ですし、雑木としてやせ地にも生えてくるので、あまり好かれる樹木ではありません。春に芽吹いたヌルデは、秋の始まりのこの季節にやっと花を咲かせます。雌雄異株で(ということですが)、咲く花は遠目に見ると白くかすんだもやのようで、あまり目立ちません。しかし近づいてよく見ると、意外にもなかなか味があります。特に受粉して子房が膨れはじめた雌花が美しいです。ぜひ機会があれば観察してみてください。なお、ウルシの仲間のうちではかぶれにくい種類ですが、敏感な方は不用意に触れないようにご注意を。
*****
これが雄花です。5枚の花弁5本の雄しべ。右下に見える細長い縞模様は蛾の幼虫のようです。
中央にめしべが見えますので、これは両性花でしょうか、あるいは退化した雌しべでしょうか。
こちらは雌花。短い雄しべが見えますが、退化しているのでしょう、小さく早期に黒ずんできています。これが機能していれば、両性花ということになります。
2020.09.21.撮影
2020.09.22.記述
0 件のコメント:
コメントを投稿