2020年9月23日水曜日

美しい蜂

 オオセイボウを見に行きました。場所は嵐山。この週末は4連休ということで、観光客でごった返しています。新型コロナウイルス感染症が広がりはじめた2月以来これほど混雑したことはありません。最も閑散としていた頃と比べると、おそらく数十倍の人出でしょう。ほとんど国内からの訪問者で、依然多かった外国人の姿はほとんどありません。外国人観光客が戻ってきたら、どうなることか。

これだけの人出でも歩道から車道に人があふれ、戸外でも十分に密です。できるだけ人の少ないルートをたどるようにしていますが、人混みを避けて暮らしている身にとっては、自転車で傍を通り抜ける際にも、思わず息を止め身をすくめてしまいます。そもそも出口のない嵐山に観光バスで客をどんどん送り込むのですから、超過密は以前からのことです。地元に住むものとしては「観光公害」以外の何物でもありません。コロナ流行以来すっかり廃れたしまった言葉ですが。

コロナで人気が途絶えた嵐山は、清閑で風情があり、自然との交感が成り立つ、とてもよい場所でした。

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さて、愚痴はこれくらいにして、オオセイボウです。この時期オオセイボウは、蜜が豊富なオミナエシ、河原のノゲイトウ、もう少し時期が遅くなるとアレチハナガサなどに吸蜜に訪れます。この日は嵐山の某所、オミナエシの花に2頭のオオセイボウを観察しました。

天気が良すぎてオミナエシとオオセイボウのコントラストがありすぎ、あまり良い写真が撮れませんでした。



光の当たり方によって青から緑へと金属光沢の体の色が変わります。





オオセイボウはスズバチの巣に卵を産む寄生蜂です。スズバチが生きられる環境でないと生きられません。スズバチは蛾の幼虫を狩り、泥で巣を作る狩りバチですので、蛾の幼虫、それを養う雑草や草地、巣材となる泥、安全な営巣場所がないと生きられません。オオセイボウは『京都府レッドデータブック2015』には記載されていませんが、生息数の少ない蜂の1種です。今後もこのような美しい蜂を季節ごとに見たいものです。

2020.09.21.撮影
2020.09.22.記述







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