2020年12月6日日曜日

桂川の畔で:秋から冬へ

昨日と同じ場所を観察散策してみました。自然界の面白さは毎日同じ場所を歩いても何らかの変化があり、発見があるということです。自分自身が変化(観察眼の進化・深化)しているかどうかはさておき、自然界が日々刻々微妙に変化しており、積極的に観察しようとすれば、それを日々の変化として感知できます。健康のための速歩も良いでしょうが、ゆっくりゆったり、100mを1時間2時間かけて、生きものと対話しながら歩くのもなかなか良いものです。

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昨日は暗くて近づけなかったキササゲです。近くで河川工事が始まっており、伐採されないか気になります。

双方に冠羽のある奇妙な種子です。つまんでみても何か柔らかく、指にはっきりとわかるような実体感がありません。これで発芽するのでしょうか。

アリタソウの比較的若い花序が、この時期にもかかわらず伸びていました。独特の香りがあり、乳牛が誤って食べると、この香りが乳に出て、商品にならないので、酪農家の敵だと、いつか聞いたことがあります。ヒユの仲間で、花が咲いてもその形を認めるのが難しいです。



5枚の花被片がピンク色に色づいてなかなかきれいです。直径は3ミリ程度の極小で、確認するにはルーペが要りますが。

オギの穂が風に揺れています。ススキには芒があり、オギにはない。ススキは株立ちするが、オギは株立ちしない...等々、ススキとオギの違いを知らない頃は、区別に迷うことなく、みなススキで、幸せでした。




法面に何かいます。

羽を広げるとチラリと黄色が見えました。

キタテハです。成虫越冬の蝶で、羽裏の模様はまさに枯れ葉そっくり。

羽を広げると、葉表のヒョウ柄が見えてきます。

エビヅルが良い色に色づいていました。

アカメガシワも葉を落として、バンザイポーズの冬芽がしっかりとできています。

エノキにはエノキトガリタマフシの虫えいが、1個だけまだついていました。

この時期までついていると言うことは、中身は空っぽだろうと思って切ってみると案の定。

センダングサの花殻にしがみつくようにウラナミシジミが止まっていました。羽が相当擦れてしまっていて、あと何日の命でしょうか。じっと前を見つめる真っ黒な澄んだ眼が印象的でした。

2020.12.05.撮影
2020.12.05.記述



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