公園に朽ちた桜の切り株があります。樹皮がはがれ、柔らかな木部がそぎ落とされ、硬い部分のみが残っています。水はけの良い場所なので、完全に腐食することもなく、白くさらされた切り株と根が様々な模様を見せています。岩だらけのこの場所に苦労して根を張ったのでしょう。曲がりくねった力強い筋がそのことを物語っています。幾度も伸ばした枝はその度ごとに伐採されたのでしょう。いくつもの空洞がその証拠です。
古株に面相を読むのは人の恣意ですが、年を経て明らかになったこの樹木の本来の姿は、年老いてあらゆる属性と虚飾を失って本来の性を見せた人間にもなぞらえることができるかもしれませんね。
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2020.02.21.撮影
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