モミジバスズカケノキにはもう一つ思い出があります。かつて北フランスを旅した折に、通り過ぎた町で、通りの両側にモミジバスズカケノキが植えてありました、両側から長く伸ばした枝を、中央で固くゆわえてあったのです。樹木は同じ種類であれば、長期間強く接していると相互に組織を取り込み数本の木々が一本になることがあります。(屋久島の杉などもその例で、巨木の幾つかは数本の杉の木が長い期間の間に癒合して1本の木に見える形になったことが、サンプリング調査の炭素の同位元素を使った年代測定で判明したという記事を読んだことがあります。)フランスのその町ではそのように癒合した枝がアーケードを形作っていました。人間の手でずいぶん勝手なことをやらかすものだ、と批判的に捉えつつ、癒合したスズカケノキの枝は、さて、自分は誰のものだろうとアイデンティティ・クライシスに陥らないのかな、などと考えながら眺めていたことを思い出します。
小学校のモミジバスズカケノキに戻ると、秋になると実る果実は、小さな固いボールのような球に10cmほどの丈夫な花柄が付いたもので、これを高い木の枝から何とか手に入れると、男の子達は互いに相手の頭をこれでたたき合う遊びが始まったものでした。
そのように、幼い頃から見ているはずなのですが、この木の花を見たことがなく、近くの公園に確認に行きました。そのときのメモです。
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雌花が咲いていました。
雄しべと雌しべの大きさが比較できます。
来年は油断せずに雄花の盛りを見たいものです。
2021.04.24. & 25. 撮影
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