公園でオオセンチコガネに出会いました。オオセンチコガネは古代エジプトで、死んで蘇ると信じられ神聖視されていたスカラベ(フンコロガシ)の仲間です。スカラベの仲間は動物の糞、特に草食動物の糞を食べ、これを地面に開けた穴に詰めて(スカラベの場合は糞をダンゴにして転がしてから穴を掘って埋める)そこに卵を産み付け、幼虫はこの糞を餌に育ちます。
日本語名の「センチ」はトイレ(便所)の古名「雪隠(せっちん)」から来ています。糞を食べるというと、それだけで嫌悪感を持つ人もいるかもしれませんが、暖かい季節山に近い公園に鹿が出没するところではオオセンチコガネやチャグロマグソコガネが糞を処理してくれることで、目に付く糞がかなり少なくなっているようです。この現象を研究した論文もあります。
オオセンチコガネは美しい甲虫です。この羽の色には赤、青、緑のバリエーションがあります。三重県総合博物館の解説によれば「全国的には、近畿中央部に緑色、紀伊半島に青色、その他の地域に赤色を基調とした個体が分布しています。」とのことです。写真の個体は赤色ですので、「その他の地域」にいる、それほど珍しくはない個体のようですが、暗い林縁や山野中で見ると、宝石のように綺麗に輝いて見えます。
ネットで「オオセンチコガネ」を検索すると「オオセンチコガネの出現場所と値段」などとあって、「エッ!」と思いましたが、「あつ森」という言葉と共に解説してあるページが頻繁にヒットします。どうやら任天堂のSwitchというゲーム機で人気の「あつまれとうぶつの森」というゲームの中で収集する対象として人気らしいです。ホッと胸をなで下ろしました。ちなみに、任天堂のものも赤色型のようです。
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2021-07-01 撮影
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