桜の開花が話題になり、西洋カラシナが咲きはじめる頃、ベニシジミたちも一斉に冬眠から目覚める。場所によっては、いったい冬の間これだけの色鮮やかな蝶たちがどこに隠れていたのか、と思うほど多くのベニシジミが舞っている。おそらくは枯れ草の影などに身を隠し、ひたすら春をまったのであろう。中には羽の一部が欠けていたり、ボロボロにいたんだものもいる。それらのベニシジミが、蜜を吸い、羽を休める際、必ずと言って良いほど、太陽に向かって羽を広げる。できるだけ多くの陽光を吸い取り、体温を高めて運動能力を高め、新陳代謝を活発にするためだろうが、太陽の光を吸い取り、その羽の鮮やかさに加えようとするかのごとくである。小さな虫の中の、生き抜くための確かな知恵と力。
西洋カラシナの葉の上で羽を休めるベニシジミ。2018.03.27.撮影。
by harusan
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