桂離宮を訪れる人は多いでしょうが、ほとりを流れる桂川に注意を向ける人はほとんどないでしょうね。その昔、桂川は今よりも6 mほど川底が高く、現在桂大橋の袂に立っている石灯籠が川を行く船の目印になったそうです。その頃は桂川の水を直接桂離宮に導くことができ、桂離宮を潤していたということです。つまり、桂離宮の美は、桂川に依っていたということになります。桂川は暴れ川でもあったため、桂離宮の主立った建物は、水害を避けるために高床式になっています。桂川は、その後何度となく治水のために浚渫され、現在の川底の高さになりました。
桂離宮を見渡すこの左岸には、水流が停滞してワンドとなった部分があり、様々な水辺の植物や昆虫、緩い流れを好む魚などが見られます。
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対岸より眺めた桂離宮です。この岸辺には3年ほど前からシャクチリソバの群生があり、年々その領域を拡張しています。
シャクチリソバに吸蜜するホシホウジャクです。
この季節咲く花は日々少なくなります。命をつなぐために必死に蜜を探し求める姿に心打たれます。
別な場所では、ナヨクサフジがこの季節にも花を付けていました。今年の春はこのあたりも一面に咲き誇っていましたが、秋には昨年より少なくなっています。厳冬期も花を付けることがあります。温暖化の影響で勢力を伸ばしているのかもしれません。
以前紹介したハゼランも美しく咲いています。午後3時頃から咲き始めるので「三時花」の異名があります。夕方にはしぼみます。
ハゼランは実もなかなかきれいです。
サクラタデとセンダングサ。
タデ科の植物の花は秋が盛りで、秋限定です。なかなか捨てがたい美しさがあります。
この花もわずかながら蜜を出すのでしょうか。アリが訪れています。
別な場所にはアメリカネナシカズラの大軍団がありました。これはその実の一部です。トータルでは莫大な量です。毎年勢力を増しています。
2019.10.17.撮影
2019.10.19.記述
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