2020年3月12日木曜日

冬越し昆虫たち

先日の例会(ここしばらく外出できてないので、例会から写真を引用しています)で、はじめてキタキチョウの越冬を確認することができました。亀山公園の常緑樹の木陰です。地面に近い風の当たりにくい場所で、南からの陽光が差し込みやすい場所でした。

一般に昆虫の冬越しの生態は昆虫ごとに異なります。成虫越冬する蝶や蛾やテントウムシなどは、完全に数ヶ月間動かずにじっと籠もるのではなく、暖かくなると吸蜜や食餌のために動き回ります。一方でカメムシなどは集団でひたすらじっとしているように思います。また、幼虫越冬するゴマダラチョウなども食樹の葉がありませんので、基本的にじっとしてひたすら耐えるのではないかと思います。一方で冬の広葉樹の枝先に残るウスタビガの繭には、冬越しの卵が産み付けられており、これは卵で越冬する昆虫です。

啓蟄も過ぎ、冬芽もほころびてきましたので、目覚める虫たちが観察されるのではないかと思います。

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成虫越冬のキタキチョウです。このようにひ弱に見える生き物が、寒い冬をの戸外で単独で生き抜くのは驚異に思えます。2020.03.07.撮影

蜘蛛の巣にかかった木の葉の塊の中で集団越冬するアオクサカメムシです。2020.03.07.撮影

こちらもそうです。カメムシは何かと嫌われ者ですが、昆虫類の中でもアブラムシからアメンボ、蝉やタガメまで、大きな目を形成しています。屁糞虫などと嫌われるカメムシですが、冬のカメムシはおとなしく、ちょこっと顔を出したところはとてもかわいい。2020.03.07.撮影

こちらは黄色くて小さく、目玉模様がかわいいキイロテントウ。ツバキの葉陰で集団越冬中です。暖かい日には動き回ります。2020.02.27.撮影

 シュロの中央部は丈夫な葉柄に支えられて安定して、しかもくぼんでいるので風が来ないのでしょう。あちこちに姿を見ます。2020.02.27.撮影

ナミテントウがアキニレの樹皮の間で越冬中です。2019.12.16.撮影

これは先般もポストした、ゴマダラチョウの幼虫。エノキの枯れ葉の中で冬越しします。食樹の葉が枯れてしまっているので、おそらく冬中絶食でしょうね。

エノキの葉と比べるとその小ささがわかります。シロハラなどに食べられないよう、無事冬越しを済ませることを祈ります。2020.02.27.撮影

2020.03.11.記述



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