オオミノガは私が子供の頃はどこにでもいる大型のミノムシでした。イモムシの類では捕まえやすく、蓑をはいで裸にして、細かく切った毛糸の中に入れておくと、カラフルな蓑を作って子供の遊び相手になってくれました。ミノムシにしてみれば大変迷惑だったことでしょうが。
そのオオミノガが1990年代に、外来種のヤドリバエの侵入によって、ほとんど絶滅に近いほど減ってしまいました。現在絶滅危惧のレッドデータブックに掲載している都府県もあります。たまに見つかってもほぼ100%がヤドリバエに寄生されて成虫になれなかったという報告もあります。しかしながら、近年理由は定かではありませんが、桂川近辺では少ないながらも見かけるようになってきました。河川敷ではノイバラやクズを食樹、食草としていることが多いようです。
ミノムシは一般的にメスの方は蓑から出ることがなく、蓑の中で成虫になります。羽根は退化して飛ぶことができません。メスはフェロモンを出してオスを誘い、オスがメスを探し出して交尾し、メスは蓑の中で卵を産みます。
ミノムシはその生態も不思議ですし、蓑を背負ってのっそのっそと歩く様子もかわいい虫です。子供の遊び相手になるほど復活してくれることを願います。昆虫と遊ぶことは、子どもたちにとって自然と親しむもっとも身近な機会の一つです。最近では親の方に昆虫と遊んだ体験がなく、「キモイ」「毒があるかも」などと怖がる傾向があるようですが、昆虫の不思議をもっともっと知ってほしいものです。
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葛の枯れ枝で発見したミノムシです。
こちらはコノテガシワに。
2020.03.07.撮影
2020.03.08.記述
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