ミノムシについては以前ポストしたことがあります。オオミノガはかつて絶滅寸前になりましたが、桂川沿岸では数年前から復活の兆しがあります。今冬見つけた場所では20個ほどの越冬個体がアカメガシワにぶら下がっていました。
一般に越冬した卵が孵化したり、サナギが羽化したりするのは、その餌となる花、草、虫などが成長する頃です。たとえばモンシロチョウは、春先の花の開花に合わせて羽化しますが、これは幼虫の食草であるアブラナ科の植物が冬の間から生長するためでもあります。ベニシジミなどもしかり。ところがカマキリの孵化はかなり遅いです。これは餌となる昆虫類が成長し始めてから孵化する必要があるからです。一般に草食昆虫は早く、肉食(?)昆虫は遅い傾向があります。
ところがこのミノムシの羽化の遅いこと遅いこと。冬から観察を継続して、今週初めにやっと羽化を確認しました。もうすでにアカメガシワは赤色の葉から緑の大きな葉に生長しています。
一方で、いつもの散策路でギシギシの花序にミノムシを見つけました。かなり大きな個体で、オオミノガの幼虫ではないかと思いますが、これはかなり成長しています。ミノムシはサナギで越冬すると理解しているのですが、片や6月になって羽化するミノムシあり、片や6月には大きく成長したミノムシあり、ということで、よく知っているはずの身近な虫の生態にいささか困惑しています。
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越冬したサナギの羽化が完了したようです。羽化して飛ぶことができるのはオスのみで、メスは蓑の中に入ったまで交尾し、産卵して一生を終えます。
右がメス、左がオスのサナギが入った蓑です。メスの方がかなり大きい。
スイバに止まっているミノムシです。中身がしっかり入っています。蓑の素材は草の葉のようです。
いずれにしても、ミノムシの復活はうれしいことですので、見守りたいと思います。
2020.05.31.撮影
2020.06.03.記述
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