2019年7月29日月曜日

蝉の羽化(その2)

今日もたくさんの蝉が羽化していました。今羽化しているのは、数から言えば、圧倒的にクマゼミです。京都では、クマゼミは40年ほど前までは数が少ない蝉で、透明な羽根に黒い大きな体、疎水端などで子どもたちがこれを捕ると、大いばりでした。

現在はこの蝉が町中まで進出し、夏の都会の景色となっています。晴れた日の午前中京都御所を訪ねると、高い梢からスコールのように降り注ぐクマゼミの鳴き声に圧倒されます。また、以前車で木屋町を通ったときに、高瀬川沿いのまだ植樹されたばかりの桜の木にクマゼミが鈴なりになっていたのに驚きました。車から手を伸ばせば届くような距離でした。灼熱の車道脇で、車や人が頻繁に行き交う環境の中にもかかわらず、オスゼミは「シャン、シャン、シャン、シャン」と大声で鳴き、メスゼミににじり寄って求愛する姿に、この昆虫のたくましさが印象的でした。

クマゼミは熱帯性の蝉ですので、これが優勢になるということは、地球温暖化が確実に進んでいることの証左であるとの主張もあります。日本の他の年の夏の蝉模様はどのようなものなのでしょうか。

アブラゼミです。左のオスが鳴きながら右のメスに、じわじわとにじり寄り求愛していましたが、この直後、メスが逃げ、見事にふられました。

ふられた後も、未練がましく鳴き続けるオスです。

こちらはクマゼミ。

左がメス、右がオスのようです。メスはおなかが大きく末端がとがっており、オスの胸部には鳴き声を拡大する共鳴板があり、拡声装置としてのおなかの中はほぼ空洞です。鳴き声は暑苦しいのですが、羽の透明感は涼しげです。

しかし、夏らしいのはやはりアブラゼミです。ジリジリジリジリとなく声が夏の暑さのジリジリ感と呼応しています。

夜にはまた多くの蝉が羽化する姿が見られました。これはクマゼミの羽化です。こうして体を半分抜いて逆さになり、約15分。この間に体や爪が固まり、殻につかまる力を持ちます。

今日一番美しかった羽化直後の成虫です。カイヅカイブキの奥でひっそりと羽化していました。暗闇に映える羽が実に美しいです。

拡大します。
2019.07.28.撮影
2019.07.28.記述


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