奥永源寺君ヶ畑地区への道中に遭遇した生きものその他をメモしておきます。
君ヶ畑地区は御池川という、愛知川に注ぐ支流をさかのぼったところにあります。集落をさらに林道に沿って山に入ると、そこは原生林こそないものの、すっぽり苔に覆われた杉林を渓流が流れる『もののけ姫』の世界でした。
ヒグラシです。多数が足元の苔に止まっていて、歩くと足元から次々に飛び立ちました。3時頃から鳴き始めました。
上掲のヒグラシの反対側にいたザトウムシです。撮影時には気づかず、写真を調べていて気がつきました。英語では、daddy-long-legs(あしながおじさん)と言います。『千と千尋の神隠し』の釜爺(かまじい)に似ているかも。でも釜爺は6本足(4本は腕?)でしたね。これは8本足。体を揺らして、長い足で進行方向を探りながら歩く様子が、座頭が杖で道を探りながら歩く様子と似ているので、この名がついたようです。
川沿いのコナラの木です。巨木が川側に傾いて、根元はびっしりと苔に覆われています。
川沿いの朽ちたフジの太い蔓に生えていました。『もののけ姫』のコダマではありませんが、木の精霊になぞらえても良いかもしれません。正体は変形菌の子実体です。ルリホコリの仲間でしょう。
杉の木の根元にはベニナギナタタケが生えていました。猛毒のカエンタケかと思い、一瞬身構えましたが、無毒のシロソウメンタケの仲間です。
御池川には巨岩がうねるように並んでいました。鈴鹿山系から流れる水は石灰岩質のためか、とても清らかで冷たく、また、この先には全く人家がないために、久しぶりに人工的なゴミのない清流を見ることができました。
下流に向かって。
上流に向かって。
白く見える石はほぼすべて石灰岩です。
神社の奥にはクリンソウの植え込みがあり、その周囲の細い溝にオニヤンマが産卵していました。40年余り見なかったように思います。日本に本来あるべき自然が息づいている土地です。
神社の手水舎の水盤に、置物のように止まっていた蛙です。ヤマアカガエルでしょうか。
2019.08.02.撮影
2019.08.04.記述
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