シイの木は、日本がアジアとつながる原文化の基盤となった照葉樹林帯を構成する樹木の一つです。かつては食料としてまた薪炭の原料として、さらには椎茸栽培の榾木(ほだぎ/ほたぎ)として重要な樹木でした。また、常緑樹で高く太くそびえる堂々とした姿から、神社や仏閣の境内に植えられることもしばしばでした。
私の郷里では、村はずれの崖っぷちに古木があり、この木の実りを楽しみにして、季節になると拾いに行ったものです。囲炉裏で焼いて食べるシイの実はことのほか甘くおいしく、柴栗とともに秋の大切な味覚でした。
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市内のやんごとなき某所で採集したシイの実です。今年も実りが豊かで、1メートル四方に20個余り落ちている場所もありました。よく洗って汚れを落とし、水に浮いた実を取り除きます。水に浮く実は、虫が食っているか、実りの悪いもので、中身が空洞になっています。今回は注意して採集したせいか、浮くものはほとんどありませんでした。
「ぎんなん炒り器」でぎんなんを炒る容量で炒ります。ガス火の上ならば少し距離を置いて強火で。しばらく炒ると殻がはじけきます。頃合いを見計らって火から下ろして、アツアツを頂きます。ちょっと焦げ気味が香ばしくておいしい。
小さな実を殻をむきながら食べるのが良いです。祖父母の昔語りがないのがさみしいですが、故郷を思い出しながら頂きました。あっという間に殻だけに...。
一度に食べずに毎日少しずつ楽しみにしながら頂きましょう。自然の恵みに感謝!ごちそうさまです。
2019.11.15.撮影
2019.11.15.記述
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