センダンは初夏に可憐な花をつけて、青いサクランボのような実をつけます。秋に熟すと黄色みを帯びて、葉を散らした木に夕日が当たると、黄色い実が美しく輝きます。
この実は一見美味しそうに見えますが、実は核が大きくて果肉が薄く、さらに果肉にはサポニンを含んでいます。これは人や獣には有毒物質です。サポニンは石けんのように界面活性作用を持つ配糖体で、砕いて水に入れるとよく泡立ちます。ムクロジやエゴノキの実にも含まれていて、昔はこれらの身を砕いて泡立てた水で洗濯物を洗ったと聞いています。
毒性物質を含みますが、鳥の仲間にはこの実を平気で食べるものもいて、その代表格がムクドリとヒヨドリです。ただし、これらの鳥たちがセンダンの実を食べ始めるのは、カラスウリなど草の実や柿の実などの甘くて美味しい果物を食べ尽くした後のようで、この辺りではかつては2月末にならないと食べ始めませんでした。
ところが、ここ数年台風に伴う増水があって、土木事務所が河川敷の草木を刈り取ってしまうと、1月末にはセンダンに群がるようになってきました。それだけ河川敷の食物が不足しているということなのでしょう。今年は観察していると2月の初旬でした。2月7日に撮影した写真をポストします。
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食事時のムクドリは我先にとセンダンの実をほおばります。
実が大きいので、ムクドリやヒヨドリでないと飲み込めません。
時々この状態でもがくものもいるのですが...
何とか収まったようです...のど元がまだふくれている...
ひとしきり食べたあとはゆっくりして消化を待ちます。
核は大きいので口から吐き出します。付近の電柱の下には、センダンの実がたくさん落ちていて、河原でついばみ、電線で消化するこの鳥の習性を知ることができるフィールドサインになっています。
2020.02.03.撮影
2020.02.14.記述
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