2020年5月15日金曜日

オニグルミのヒミツ

河川敷で樹木を観察していて面白いことに気づきました。オニグルミの受粉に関してです。どうやらオニグルミには雌花が先に咲くものと、雄花が先に咲くものがあるようです。そう気づいてネットで調べると、「雌雄異熟」という言葉があることがわかりました。両性の花を付ける植物で、雄花と雌花の咲く時期が同じ種でも、個体によってどちらかの花が咲く時期が異なる現象です。

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河川敷で約20メートル離れて同じような樹齢のオニグルミの木があります。この木はあきらかに雄花が先に咲いています。すでに黒く枯れて垂れ下がっています。


雌花を見ると先端部はまだ受粉可能なようで、赤い柱頭が見えています。子房の膨らみもほとんどありません。


地上にはすでに枯れて落ちた雄花が多数。

一方こちらはもう一本のオニグルミの木。すこしくたびれてはいますが、青い雄花が垂れ下がっているのが見えます。


一方で、雌花はかなり先に開花したようで、すでに子房が大きく膨らんでいます。

このように時期をずらして雌性先熟と雄性先熟の個体をもうけることで、異なる個体からの受粉を促し、遺伝子の多様性を保っているのでしょうね。

一つ面白かったのは、同じ個体でも、枝が異なるとその成熟度に若干の差があることでした。これはさらに調べる必要があるかもしれません。また、雌性先熟の個体の子孫が同じ雌性先熟になるのかどうか、雄性先熟の個体の子孫が同じ雄性先熟になるのかどうか。すでに研究論文など出ている可能性がありますが、興味深いことです。

2020.05.14.撮影
2020.05.14.記述


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