唱歌「ちょうちょう」はもともと18世紀のドイツ民謡に日本で歌詞を付けたものと言われていますが(『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか』(草思社)で稲垣栄洋氏はスペイン民謡と指摘されていますが)、その歌詞について長らく疑問を持っています。あくまでも歌詞を字義通り解釈しての疑問です。
「菜の葉」に止まるのは、吸蜜のためではなく、産卵のためでしょうから、モンシロチョウやツマキチョウなど、アブラナの仲間を食草とする主にシロチョウ科の蝶です。ネットの情報ではスジグロチョウなどが桜の花に止まった記述がありますが、私自身は、スジグロチョウやモンシロチョウなど、シロチョウ科の蝶が、「菜の葉に飽きて」「桜」に止まったことを見たことがありません。ちなみにスジグロチョウの幼虫の食草は、アブラナ科の植物ですが、タネツケバナやイヌガラシなどで、菜の葉ではありません。
この歌詞は、春ののどかな風景を軽快なリズムに乗せて歌ったもので、あくまでも「あらまほしい」情景を描写したものと取るのが良いでしょうね。作詞者(あるいは民謡の採集者)とされる国学者の野村秋足がどの程度自然についての知識を持っていたかもよくわかりません。
閑話休題、頻繁ではないですが、アゲハチョウはしばしば桜の花への吸蜜を目撃することがあります。その様子を昨日目撃しましたので、ポストしておきます。
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ナミアゲハが花の中に顔(頭?)を埋めています。
2020.04.06.撮影
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